共和党マニフェスト 2022
「脱皮する日本そして未来への飛翔」 4+36
硬直化した組織を柔軟な細胞によって置き換え、すでに石化し発展の障害となっている制度の殻を破り、旧来の慣れ親しんだ国家運営システムから脱皮し、新しい世界、変容する地球環境とその制約に対応し、ちょうど昆虫が羽化して大空に羽ばたくように、日本社会を未来へ飛翔させましょう。
(今や誰の目にも明らかになった日本の停滞と混迷。もはや既存システムや規定路線の改革では日本を救うことはできません。)
共和党とは
共和党(Kyowa Party)はアジアの理想政治に発想を求めた新しい政治運動です。世界に普遍的に存在する”共和党”=Republican Party と同じではありません。人々は政治家という代表を選ぶだけではなく、体得した知識、能力を使い、責任当事者として日本社会の運営にあたります。
共和党は野党ではありません:誕生したばかりの共和党は政権与党ではありませんが、野党でもありません。DXとAIを活用して、国民一人一人が政策や法案を吟味し、国会での法案提出や賛否の採決を、野党の党利党略ではなく、主権者自らが決定する直接民主主義として世に実現させます。
共和党の基本 4つの精神
共和党は4つの価値を政策、法案審議、行動指針の礎に置いています。多様な議論を経て、導かれる共通善こそ政治と考えます。
【正義】
主張者によって多様な価値ですが、共和党は自らが考える正義を提示し、議論を行い、共通善としての正義を求めます。
【美徳】
美は単に外見の美しさをいうのではありません。ましてや強制するものではありません。人は人の生存に必要なもの、自然なものを美と理解してきました。共和党は美を提供する存在でありたい、押し付ける存在にはなりたくないと考えています。
【卓越】
資源に乏しく、国土も狭隘な日本はそこでのパフォーマンスが他より抜きんでたものでなければ評価されません。また現実に、日本が世界で認められ、その価値と評価を得ているのは、単に普通に何かできているからではなく、それぞれの分野や個人が卓越した存在であることを示しています。
【友愛】
日本が生きるために、他国を侵略しその市場を占有する必要があると考えた時代、隣接するアジア諸国を蔑視しそこから日本に渡ってきた人々を差別した時代、世界で起こっていることを日本と直接の関係がないと無視した時代を経て、日本もようやくすべてのことが日本の生存に重要な要素であり、不可欠であると理解できるようになりました。
考察と話し合いを積み重ね、世界を調和させる日本発の友愛思想を広げます。
(参考資料:「次の日本へー共和主義宣言―」首藤信彦・鳩山友紀夫著、詩想社、2019年刊)
日本をがんじがらめにする外殻を破る 10 の取り組み
① 【脱成長路線】経済成長とその神話に依存せず、現実の日本社会その限界と制約をリアリズムで見つめなおし、親環境的な健常社会(安定し健康な社会)を求めます。
② 【脱旧産業】高エネルギー消費、高い環境負荷を前提とした産業(一部の農業を含め)や低付加価値製造から離れ、AI、DX、IoT、ロボット技術に立脚した新しい産業そして親人間(人にやさしい)産業へ資源と努力を傾注させます。これまでお家芸であった輸出依存とそのための円安誘導は日本経済をかえって弱体化させます。グローバル経済下において、貿易を重視しつつも、投資やサービス、そして国内産業との有機的な結合を求めます。
③ 【脱原発】高コスト体質に加え、地震多発国における極度の潜在リスクを抱えた原発を廃棄し、使用エネルギーの根本を風力、太陽光、地熱、バイオなど再生可能エネルギーに依存する構造に転換します。原発は国有化して民間から切り離し、廃炉を政府責任で加速的に進めます。既存の原発用地には可能な限り、風力・太陽光などの再生可能エネルギーの発電所を新設して、系統電力網を活用すると同時に廃炉に伴う自治体への影響を最小化します。
④ 【脱アメリカ依存】アメリカの「核の傘」や「安保条約で守られている」という虚構から離れ、事実上の治外法権となっている国内外国基地・空域の禁止、日米地位協定の改廃、日米安保体制の抜本見直しを行います。経済的にも過剰なアメリカ市場依存から脱却します(すでに現時点で貿易は対米 14.1%、対中22.9%)。さらに一層、近隣経済圏を充実し、ASEAN,ユーラシア、ヨーロッパ、ラテンアメリカなどとバランスの取れた経済関係を確立し、独自外交を再構築します。
⑤ 【脱中央集権国家運営】自立と自律に基づく地方自治を徹底します。地域ごとに多様で活気ある独自性を持ったコミュニティを創造・拡大し、DX、AI、インターネットを活用して協力網を作り、地方自治を補完します。
⑥ 【脱受験】教育堕落の頂点に立つ大学受験は廃止します。理科系文科系の分離など現代にそぐわない後進性の残余を無くします。学校での教育でなく、自らの内に学校を作り生涯学び続ける教育へ転換します。
⑦ 【脱ポピュリズム政治】消費税廃止や根拠のない給付金、補助金バラマキなどの非合理的な人気取り政治を停止します。短期的には過酷であっても、長期的には実りをもたらす政策に注力し、最速で必要かつ具体的な支援がもたらされるようにします。
⑧ 【脱政府(お上)依存】民間主体性の確立、政府・行政依存体質の転換を進め、民間企業、NGO/NPO など人々の様々な活動と行政とを組み合わます。官僚に依存しない国家戦略や政策策定を進めます。官から民への天下りは根絶します。合わせて三権分立の確立を目指します。民主主義の大原則が堕落し、立法府、行政、司法が官邸に忖度する現状を立て直します。嘘と隠ぺいに満ちた行政と政治を正義に照らしオープンにし国民の信頼を取り戻します。
⑨ 【脱旧財政経済制度】戦時翼賛体制にルーツを持つ既存の財政と租税制度を抜本的に改革し、因習的な政府と大企業と中小企業の談合状態という構図を変えます。労働システムの革新をはばむ組織内労働組合などを改革します。消費税の地方税化と地方交付税交付金減額を並行して進め、地方自治を財政的に支援します。当初は消費税の目的とされた福祉(医療)分野に関しては、生活安全保障として、防衛費と同様に、国の予算化を明確にします。福祉予算拡大の元凶と言われる医療費の増加は、高額医療医薬・医療保険制度・病院体制・医療システム革新など抜本的な対策により抑制します。統合医療・ポジティブ心理学等を応用し、医療費の削減と医療の充実を進めます。政府主導でなく、民間企業の創意工夫による活気ある市場経済を進めると同時に、それを補完する社会経済連帯のシステムを構築します。
⑩ 【脱官僚体質】官僚機構だけでなく、民間にまで蔓延する事なかれ主義、事大主義、前例万能主義、原点主義のように激変しリスク化する現代環境にそぐわない精神風土から脱出し、積極的でリスク対応の出来る精神・文化構造を作ります。リスク社会に対処するため、国の行政においても縦割り構造を脱し、あらたに、国土国民安全保障省を新設、国民健康安全保障局、災害安全保障局を設置し、コロナ禍が露呈した日本の医療制度の問題を克服しパンデミックに備えます。公共事業や農業土木など、地域の政治勢力への配慮を前提した建設から脱し、大規模自然災害その他の突発する大規模リスクへの予防措置を進め、非常時には集中的にリスク管理を行います。
未来への飛翔のための7つの取り組み
古くは明治維新期、あるいはまた戦前戦中の翼賛体制にルーツをもち、21世紀の今になっても日本社会を拘束しつづけている制度、規制、慣行などの外殻を破っただけでは、日本を取り巻く環境の激変とリスク化に対応できません。新しい環境に順応するためにさらなる投資と努力が必要です。そこから未来への飛翔が始まります。
⑪ 【新しい教育】学校で学ぶ教育→自分の中に学校を作り学ぶ。小学校から大学まですべての授業を同時並行でオンライン化し、自由に自宅や外部さらには海外からもアクセスできるオープンシステムに作り変えます。明治期に財政難から始まった理系文系の分離を止め、人間および科学の総合的教育を行います。教育こそが国の将来を決定することになるため、高等教育学院を創設し、日本の将来像を描きます。(詳細および提言は「人新世を生きる君たちへー次の日本への教育改革―」次の日本への教育会議編 あけび書房、2021年発刊)
⑫ 【ブルーカーボン】現在、温室効果ガスを森林(グリーンカーボン)よりも多く吸収する海の役割が注目されています(ブルーカーボン)。日本は狭い国土しかも70%が山地の隘狭な国土ですが、海洋を含めた面積は世界第4位です。その海洋の役割、そこからのエネルギー(海流、温度差、バイオ、洋上風力発電など)および海藻などを活用する道が開かれようとしています。マイクロプラスチック汚染対策も含め、この分野に思い切って資源と叡知を投入して、日本の未来への新しい礎とします。中でも海藻は炭酸ガスの吸着以外にも食料、環境浄化そして漁業支援に役立ち、地域住民と一体となって日本の環境と経済に貢献する可能性を秘めています。
⑬ 【青銀協創】少子高齢社会の特質を生かし、日本社会の弱点でなく長所に転換します。社会全体を効率化、産業社会の廃墟を作り替えます。行政上の自治体だけでなく、各地に独自のコミュニティを形成し、社会全体を活性に富んだものに作り替えます。高齢者が社会の負担になるのではなく、若者(青年)と高齢層(シルバー)とが協働して新しい価値を生み出す(青銀協創)ことが重要です。交通や流通分野の革新を求め、商店街などの住環境における経済性を高めます。
⑭ 【DDD】(DX Direct Democracy、以下D³と略)形骸化し、弊害の散見される既存民主主義体制から脱し、DXを活用した新しい政治システムを構築します。すべての行政情報を公開(反社会的悪用は処罰対象)し、政治改革に一般国民の参加を求めます。与野党談合や逆に無意味な対立ではなく、選挙民の意思が直接に政策や法案作成に生かされ、また国会の採決に反映されるのを、DXおよびAIを使って実現します。人口が多いため必然と思われた「間接民主主義」から、国民一人一人の意思が国会での票決に反映されるD³で、「直接民主主義」への道を切り開きます。
⑮ 【グローバル俯瞰外交】偏狭なナショナリズムや安易な軍備中心主義を離れ、世界全体、地球的視点から繁栄と安全に貢献しそれが結果的に日本の利益につながるような軍備を超えた安全保障体制の確立、そのための高度外交を展開します。その新しい「友愛外交」を世界に発信し、憲法にその理念の明記された世界から尊敬される地位をめざします。グローバル経済・政治における国際的管理に積極参加し、西洋中心あるいはまたパワー中心の国際管理に新次元をもたらします。
⑯ 【社会連帯経済(SSE)の推進】行政と市場だけが支配する経済システムに、新たな「社会連帯経済」のシステムを追加構築します。旧来の共同組合、生協、NPO・NGO、さまざまなボランティア団体の活動をオンラインネットワークやAI支援によって、新しい社会連帯システムとして機能させます。これまで相互に孤立していた存在、高齢者と若者、大学と地域社会、山間地と海浜地域のように、「縁」「絆」の薄かった存在を結び付け、有機的な協力関係を作り上げます。旧来の発想では、市場や政府に把握され管理されない経済関係はともすれば「地下経済」「マフィア経済」と卑下され批判されるむきもありますが、今後日本を襲うと危惧されている幾多の経済困難に、このような社会連帯は、市場経済に加えて、新たな価値と経済的安全保障を作る可能性があります。
⑰ 【リスク社会・リスク世界への徹底的準備と対応】21世紀初頭にいて、世界はコロナウイルスによるパンデミック、そしてウクライナ戦争に見られる旧態依然とした武力紛争を目撃し体験することになりました。また、世界中で発生する地震・津波・火山噴火そしてゲリラ豪雨や台風などの自然災害は以前には考えられなかったほどの規模と頻度で発生しています。個別的、後追い的に対処するのではなく、リスクの到来を現実のものと理解し、予備的対策を講じ、リスク発生時には瞬時に対応し、リスクが去った後に急速に復帰復興を実現する体制をつくります。
19の緊急経済政策
現在の日本経済は合理的根拠や資源を欠いたまま暴走したアベノミクスと称される一連の経済政策、バズーカ砲などと自称された巨額の通貨発行や日本国債乱発、度重なる緊急対応支出や補正予算・特別予算、選挙を目前にした政権の数値操作などによって、今我々が目にしている経済指標の正確度や現実にそれが実態を反映しているかすら極めて不確かです。新しい経済財政政策を展開する前にまず、経済数値や指標が現実の経済社会状況を正確に表現し、またそうした数値に対する国民の信頼を回復することが必要です。
選挙目当てのバラマキ政策が多用乱用されています。ポピュリズム経済財政政策を避け、たとえ一時的に不評・不興であっても着実に日本の経済財政基盤を再生し確立する経済財政政策を展開する必要があります。これまでの安易な成長主義から離れ、健常主義(安定的で環境にあった)にもとづく国土再編、産業転換と新社会連帯経済を創設します。
⑱ 【国の会計は一本化】一般会計、特別会計、独立行政法人などの会計を一本化し、国の予算として詳細を国会で(政党本部などでなく)逐条審議します。数値は官僚機構の発表のままでなく、有識者、専門家による第三者検証を行います。
⑲ 【国の会計は原則全情報公開】経済・財政のすべての数値、それを導いた計算式を各年度明らかにし、各省庁における経費細目、個々の経費ともども「オンライン全情報公開」します。ただし、投機などに悪用される可能性があるものや、国家の経済財政政策上やむをえないと判断される場合は公開は5年後とします。
⑳ 【財政の選択的対応】政府財政の逼迫、経済低迷、特定困難層の存在などにより、これまでのような一律一括、無差別で包括的な対応(バラマキ)をやめ、分野、対象を特定し、必要な対応を思い切って実施します。その根拠と結果をオンライン公開します。
㉑【消費税】消費税上限を現行の10%固定とし、今後消費増税が要望される特別状況においては、地方消費税のみを増率対象とし、自治体による地域での活用を図ります。消費税は一律とし、食料・生活必需品などを減率するのではなく、低所得層、困窮状態にある者を対象として負の消費税(特別給付)を実施します。
㉒【財政の一元管理】所得税、消費税のみならず、国の公租公課、財投、国債を一元管理にします。税と社会保険料の一体化を行います。
㉓【税の天引きをやめる】給与所得者の所得税天引きを止め、各人が税務申告し、必要経費を課税対象から外します。配偶者控除を止め、自宅介護など所得を得にくい家族に対して家族控除を新設します(所得の無い若者・学生も含めます)。
㉔【課税と助成】新時代への産業革新のインセンティブとなる課税および助成を行います。革新産業、ビジネス分野においてはサンドボックス(砂場)を設定し、思い切った規制緩和などの助成策を講じます。時代に取り残された産業、高エネルギー消費、高環境負荷の産業への補助や助成は停止します。
㉕【高速通信】高速通信環境を日本に不可欠な公共財と位置付け、全国をカバーします。これにより従来僻地と考えられていた地域も新産業立地が可能になります。
㉖【再生可能エネルギー】再生可能エネルギーを国家最優先課題と位置付け、国土計画および地域計画と一体化して大胆に進めます。農地法・国立公園法などその障害となる問題を洗い出し、思い切った改正を図ります。
㉗【省エネ徹底】徹底した省エネにより新産業のための余剰エネルギーを生み出します。高電力消費産業の抑制、電力使用型遊戯施設や消費施設・設備は新課税などにより抑制します。
㉘【原発は国有化し廃炉】原発を国有化し、老朽化した原発、立地上危険度の高い原発から順次、直ちに廃炉作業を開始します。電力会社による非原発発電所新設および系統電力網の整備を推進し、原発設置自治体運営への影響を最小限にとどめます。
㉙【格差是正】社会連帯経済を推進します。社会の分断につながる雇用における正規雇用・非正規雇用の区別を廃止します。従来の協同組合・生協、NPO/NGO、さまざまなボランティア組織、地域組織などによる社会連帯経済を推進します。特に、地域間、世代間の連帯システムを構築します。
㉚【経済政策統括省の新設】経済政策統括省を新設し、経済問題のすみずみまで問題点を把握し、敏速な対応を図ります。感染症による営業停止、経済制裁の影響による操業・経営困難などの実態を瞬時に把握し、大胆な支援策を展開します。
㉛【次世代育成】次世代産業人の育成を行います。インターネット、DX、ロボット、ドローン、IT、デザイン、バイオ、新薬開発、新医療介護システムなど新時代の産業と運営を担う人材を育てます。伝統産業の育成・再生、中小企業経営者の継続支援などをおこないます。日本に比較優位のあるモノづくり産業の維持と育成をします。エレクトロニクス部品などの基礎製品、産業安全保障を進めます。
㉜【農林水産業】農林水産業を抜本的に改革します。日本の自然条件を生かし聖域を作らず、農業、林業、水産業の在り方を徹底的に議論し、新農林水産業包括政策を策定し実行します。農協、漁協などの伝統的管理組織も改革し、必要であれば改組改廃します。海洋を利用した低炭素社会の実現としてブルーカーボンを推進します。自然の摂理に沿った、海浜から潮流、深海、漁業資源、海藻などの持続可能な利用を推進します。
㉝【地域特性を活かす】既存の行政区画ではなく、地域特性を生かした新しい都市・田園、農漁村への転換(コミュニタリアニズムに基づく国土再編)を行います。
㉞【アメリカ市場依存から離脱】アメリカ市場依存から離脱し、全地球的な視座のもとでの貿易・投資・流通を進めます。不安定不透明な世界における国家の長期戦略として官民をあげて取り組みます。
㉟【安全保障】日米安保条約に互恵性を求めます。国際人道の考えに基づき国内の法整備を進めます。
㊱【移住省の設置】入管局は廃止し移住省を新設し国内に暮らす日本国籍保有者以外の住民の福利厚生を図り、社会の安定の礎となる多様性と寛容性を高めます。