共和リサーチセンター、鳩山友紀夫代表が清華大学で開催された「第12回世界フォーラム」に招待され、フランスのドビルパン元首相(外相時代にイラク開戦に反対してブッシュ米大統領と対立)ともに、危機的状況が深刻化しつつある世界においていかに平和を維持・構築するか、友愛外交の視点で講演を行いました。(講演要旨下記)
鳩山友紀夫談
7月6日に開かれた清華大学での第12回世界平和フォーラムに招待を受けて出席して来ました。韓正副主席の開会挨拶の後、私とフランスのドビルパン元首相の2人とで質疑を含めて1時間講演を行いました。
私は冒頭、先月蘇州で起きた事件で、日本人親子やバスの中の生徒たちを守ろうとして亡くなられた故胡友平さんの勇気を讃え、ご冥福をお祈りしました。
その後私は日中関係のあるべき姿について話しました。以下、講演の趣旨です。
日本は緊張する中米関係の橋渡し役をすべきところ、それどころか外交・軍事面で米国にとって最も協力的なパートナーになってしまいました。一方、国家安全保障戦略として中国をこれまでにない最大の戦略的挑戦と位置付けました。とくに台湾の頼清徳新総統の就任演説は独立志向を強く打ち出しており、地域の平和と安定を脅かす態度と言わざるを得ません。
日本政府は台湾の独立を支持しない姿勢を言葉と態度の両方で示す必要があります。
今こそ日本の国益として、中米の対立を緩和制御するべきです。中国を軍事力の脅しによって抑止できると考えることは、たとえ米国と一緒であっても幻想に過ぎません。ましてや、台湾という一種の火薬庫の傍に薪を積むような態度を日米がとれば、本末転倒です。
大事なことは国民の対中感情を改善することです。一つは日本人のビザに関する限定的な免除措置の早急な復活です。民間の交流が深まれば相手国の印象も改善することは過去が示しています。もう一つは、2014年に日中が合意した4項目を両国がしっかりと確認することです。そこには見解の異なる尖閣諸島の問題について、対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぐことなどが書かれています。あらゆる問題を対話と協力の友愛精神で解決する道を開くことです。価値観の違いを乗り越えて、お互いに認め合い、理解し合い、助け合うことが日中間に今こそ必要なのです。
質疑としては、日中間の最悪の状況とはどのようなものか、また、韓国をどう捉えるかという安全保障関連を訊かれました。
ドビルパン元首相は、世界は大きな歴史的な転換点にあり、予期せぬ脅威に晒されているとして、その脅威に対処するものとして、平和、環境保全、文化の共通の重要性について熱心に語られました。 以上
鳩山さん、活動ありがとうございます。日中韓の友好がなければ東アジアの平和は守れません。